木村崇人 木もれ陽プロジェクト

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突然、東京からど田舎につれてこられた現代美術家の妻が、日常生活の中で夫と共に『地球と遊ぶ』生活に巻き込まれた!
妻の目から見た現代美術家の素顔を本音をちらりほらりさせながらご紹介します。

2008-08

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歩く

体調を崩して、もう7ヶ月になる。

木村をインドへ送り出して1週間ほどしてから、
自分の体調がどっかおかしいなーと思っとった。

視点が定まらんくって、目の前がゆらゆらする。

対向車のライトが細かく振動して見えて、
衝突するんやないかと思って何度もパニックになった。

娘のパジャマを買いに行って、全くサイズ違いのものを買ってきたり、
本を読んでも内容が頭に入ってこなくなったりした。

自慢の集中力が無くなって、1時間も絵を描いとれんくなった時に、
やっぱり、私は何かおかしいんやな・・・
と初めて真剣に考えたけど、もう手遅れやった。

とうとう、自分の声や呼吸する音が脳に響いて、気絶しそうになって、
友達に頼んで山を降ろしてもらって、
そのままふもとの病院に緊急入院したのが11月。

実家に戻って、大学病院内をはしごして、
結局、多分20代に患った突発性難聴が、
過労で再発したんやないかな〜ってことになった。

治療法は無い。

突発性難聴は発症して1週間しかステロイド剤が効かへん。
それ以降は打つ手があらへんから、安静にして炎症が治まるまで耐えるしか無い。


冷蔵庫のモーターの振動や蛍光灯のフェレメントの振動の音すら聞こえてきて、
脳がシェイクされるような感覚。

病院の自動販売機の横を通る事もできへんくって、毎日耳栓をして生活した。

蛍光灯の明るい光を見る事もできず、
静養に帰った実家の家中の電気を電球にしてもらった。
それでも部屋におれずに、閉め切ったくらい部屋で横になっとったこともあった。

歩くのも足下がふわふわして支えが無いと歩けんくなって、
外出のときは、車いすのお世話になった。

本を読む事もできへんし、
音を聞く事もできへんし、
疲れて寝たくても眠る事もできへんし、
食事もできへんし、
話す事もできへんし、
考える事もできへんかった。

できへんことずくし。

自分の状況を把握するのに精一杯で、娘の事を思いやる余裕すらなかった。

時は金なり!! の私にとっては、
何もできない毎日は、ただの浪費するだけの毎日。

部屋にこもって、泣いてばっかりおった気がする。


人は、簡単なことで壊れてまう。


そんな壊れて、不安になっとる私を支えてくれたのは、
家族や友人や夢やった。

私は一人で生きとるわけやない・・・
分かっとるつもりでも、分かっとらんかったのかもしれん。


そして、少しずつ薄皮を剥ぐように良くなってきた今、
多分、私はこの時期にこれだけの病気をせなあかん運命やったと思うようになれた。

育児と夢と仕事に追われて、
私自身の存在についてゆっくり考える事をおろそかにしとったから、
神様が、私に、私の事を見つめ直すための時間をくれたんやと思う。


命が奪われなかったのは、
まだやらなあかん事が、この世にあるからや。

闘病中、不思議な体験もいっぱいした。
この事は、また折に触れて書いておきたいなーと思う。


もう少し。

もう少しがんばったら、前のように暮らせるようになると思えるようになった。



歩く。歩く。歩く。
冬の冷たい風が、暖かくなってきた。

歩く。歩く。歩く。
毎日娘と歩く、保育園までの道。

歩く。歩く。歩く。
この一歩一歩が、私を見つめ直す時間。


ブログをこうして書けるようになったのも、回復の兆し。
気負わず、焦らず、責めず、自分と向き合って行きたいと思う。

どうか、もう少し休息を取る事を許してください。

お誕生日

突然の体調不良で、長い間ブログ更新をお休みさせて頂いとります。

今は、良くなっとる!と信じて、毎日、焦らず希望を持って生活しとります。

何度かブログを更新しようと思って書いとったのですが、
まだ自分自身、今の自分の状況が深く考えられず、文章がうまく書けません。


でも、3月5日は、このホームページの一歳の誕生日です。

なので、まとまらんでも何でも、伝えたい事を書きたくて書きます。



ちょうど一年前、実家の弟と妹にすがりついて実家に転がり込んで、
ホームページの作り方を、一から教えてもらっとりました。

何を伝えたいのか。
だれに伝えたいのか。
どこを目指しているのか。

弟からはホームページの可能性について教わりました。
妹からはホームページの在り方について教わりました。

ただひたすら、自分がイメージを形にする作業は、
兄弟を巻き込んで一ヶ月以上かかりました。


サーバーも、ドメインも、知らないずぶのド素人が、
怖いもん知らずで作ったホームページ。

こんなホームページでも読んでくれとる人がおるなんて・・・

実は、お問い合わせがあるたんびに、
いつもビックリして、そして感謝しとりました。


本当に本当に、見てくださってるすべての人に感謝の気持ちを伝えたい!!


こんなアホな姉ちゃんに、
根気強くホームページを教えてくれた兄弟よ、本当にありがとう。

闘病中、私を支えてくれた沢山の方々へ、本当にありがとう。

そして、私の想いを受け取ってくれて、へったくそな会報でも、楽しみにしてるよ!
と言ってくださるクラブ会員の皆様、本当にありがとうございます。



今は、少しずつ、焦らず、前向きに頑張っていこうと思っとります。

そして、これからも木村崇人のメッセージを伝えられる
ホームページを目指して頑張ります!!!!


ホームページ、お誕生日おめでとう!!

そして、崇くん、お誕生日おめでとう!!


また一年頑張ろうね。

時代劇「天狗」

久しぶりのブログ・・・。
気合い入れて頑張って行きます!!


山には天狗がおる。・・・・ということになっとる我が家。

しかも、この天狗、夜10時過ぎるとやってくる。・・・・ということになっとる。

その上、この天狗、10時過ぎにお布団に入っとらん子供がおると、
お山へ連れて帰って、むしゃむしゃ食べちゃう。・・・・ということになっとる。

なので、我が家のボンボン時計が10時の鐘を鳴らすと、

「ダメ〜〜〜〜〜〜〜キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」

というけたたましい叫び声とともに、娘が洗面台から寝室へ駆け込む。
真剣な顔をして、急いで走り込むその姿が、何ともかわいい。

とりあえず、寝室に入れば一安心らしく、カーテンで仕切られた寝室から
顔をひょっこり出して、

「おかーさーん、パジャマくださ〜〜〜い!!!」
「おかーさーん、絵本よんでくださ〜〜〜い!!」

と私を呼ぶ。

「そんな大きな声出したら、天狗さんに見つかってまうやんか!!」

と言うと、ベチッと手で口を押さえて、シーのポーズ。

「おかーさーん、パジャマくださ〜〜〜〜い!!!」
とささやき声が、カーテンの向こうから聞こえてくる。

ぐふふふ。天狗様々や。


先日、何やらバタバタしとって、夕飯が遅くなってまった日。
お風呂も遅くなって、寝る時間も10時を過ぎとった。

「こりゃあかんわ。急いで寝る用意せな、明日起きれへんよ!!」

と私が一人で焦っとるのに、
娘は、そうやね〜、とか言いながら、本箱の前でいつまでも今夜の絵本を吟味しとった。

何度言っても、さっぱり焦る様子があらへん。
イライラもピーク!!!

しかし、いつものように怒鳴ってばかりいても良くないな、と思って、
今日は変化球で行くことにした。


私:天狗さんに食べられてまうんやね。お母さん、さすがに天狗さんが来たら、
 助けたれへんもん。
 ごめんな。天狗さんに食べられてまうのに、お母さん、何ともしたれへん・・・。
 どうしたら良いんやろ・・・お母さんどうしたら助けたれるんやろ・・・・・
 どうしよう、天狗さん見つけてまったら。(しんみり泣く大女優ばり)

娘:え???あ!(時間に気がついた様子)、天狗さん来てまう〜〜〜〜!!!
  (走って寝室へ駆け込む)

私:もうあかんわ。もう天狗さん来てまうわ。お母さん、何回も寝なあかんよって
 教えたったのに、寝ーへんで、もう連れてかれて食べられてまうんやわ・・・

娘:いや〜〜〜〜天狗さんイヤ〜〜〜〜。ごめんなさ〜い!!もう寝ますから〜〜
 許してください〜〜〜助けてください〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
 (お布団の上で号泣)


あかん、面白くなってきた。しかも、娘も女優スイッチが入ったらしい。


私:助けたれんくって、ごめんな。お母さん、寂しくて死んでまうかもしれんな。

娘:いや〜〜〜〜〜〜!!!!!!!お母さんと一緒がいい〜〜(超号泣)

私:でも、ダメなんやて。天狗さんが来てまったら、もうおしまいやわ。

娘:ダメ〜〜〜〜!!!来ちゃダメ〜〜〜ダメ〜〜〜〜〜!!!(布団に倒れ込む)


時代劇の悲しい別れのシーンを、ひとしきり2人で演じてから、お布団に入った。
もう、娘は何で泣いとったんかも分からんくなっとる。

っていうか、もう11時やし・・・


娘:もし、天狗さんに連れてかれてまったら、お母さん寂しい??

私:そうやね、寂しいね。お父さんもおらへんのに、ひとりぼっちやもん。

娘:そうやね・・・・。

と、おもむろに布団を出て正座する娘。

娘:明日からちゃんと早くお布団に入るので、天狗さん連れて行かんといてください。
  お母さんが寂しいので連れて行かんといてください。お願いします。

手を合わせてお山の方角を向いて一礼して、布団に入った。


ぐぐぐっ!!かわいいやんか!!お母さんが寂しいで、やって!!

と、思わずお布団の中で2人は抱きしめ合う!!
時代劇から一転!!まるで映画のラブシーンのようなキッス!!!!


しかーし、そんな純粋な娘の心を逆手に取って、今日も天狗の時間はやってくる。

いつまで、天狗パワー効くんやろうか。
ずーっとかわいいまんまでおって欲しいな。ずーっと面白くおって欲しいな。

表現

娘が風邪をひいた。

突然耳が痛いと言い出したので、耳鼻科に連れてったら、
風邪による中耳炎やった。

保育園が終わると、週2回、一時間かけて耳鼻科へ行く。
せっかく遠くまで来たんやでと、帰りは色んな温泉に寄って帰る。

ビックリなことに、温泉に入った日は、娘の咳が軽くて済む。
特に早川の湯島の湯に入った日は、朝までぐっすり寝てくれた。
温泉の効果!!!と、時間があれば温泉に行くことにしとる。


こないだ、湯島の湯でのんびりくつろいどったら、
娘が鼻下ギリギリまでお湯につかって、遊んどった。

「見て見て!!お母さん見て〜〜!!」

お風呂に顔が少し入れられるようになって、ちょっと自慢げな娘。

「ほら〜〜、お顔が半分お風呂に入っとるよ〜〜!!」

と言った瞬間、ズズズズッ!!と音がした。
鼻にお湯が入ったらしい。
ぐっと一瞬泣くのをこらえて、ぎゃ〜〜〜〜〜と泣き出した。

泣いて、おでこを押さえとる・・・・・????
え??おでこ?????

おでこをごんごん叩いてなく娘に、戸惑う私。

「どうした??大丈夫か??」

「温泉が頭に入った〜〜〜〜〜(ゴンゴン叩く)痛いよ〜〜〜〜〜(号泣)」


あ〜〜〜〜〜確かに・・・・そうそう、そうやったわ。
確かに鼻に運悪く水が入ると、おでこの辺りがツーンとするわ。

「お母さんも、子供の頃やったことあるわ。大丈夫、すぐ良くなるで。」

「ほんと?お母さんも頭に温泉入ってまったことある??」

「温泉はないけど、お風呂とかプールとかあるよ。」

「頭、大丈夫やった??」

「う〜〜〜ん、ちょっとバカになったかもしれんわ・・・。」

「え〜〜〜。バカは嫌や〜〜(号泣)。」


そう言って、頭をゴンゴン叩いてお湯を出そうと努力する娘。

真剣な娘を見っとったら、表現があまりに素敵で感動した。

私も、このくらいストレートに痛い所を表現できたら良いのに・・・と思った。

呪文

久しぶりに物置になっとる三階の屋根裏に上がった。

自分のホームページを久しぶりにリニューアルしなあかんので、
昔の写真やらを引っ張り出そうと思って、
思い切ってよじ登ってゴソゴソ段ボールをほじくり返しとった。

そしたら、青いポシェットが出てきた。

この青いポシェットに、
自分の大事なものを詰め込むようになって、12年になる。

15年前、大学を中退してニューヨークの学校に行く時、
親に買ってもらったスーツケースに付いとった、この青いポシェット。

アメリカにおる時は、パスポートやらチケットやらを入れとった。
帰国してからは、両親からの手紙やら、木村からの手紙やらが詰め込んである。

どの手紙も、今の私を育ててくれたものばっかりや。

喉に何かつまったような気持ちになりながら、
父からの手紙を、久しぶりに広げてみた。


出国する日、飛行機に乗ってから開けるようにと
父から渡された分厚い手紙。
私にとっては、恐らく初めての父からの手紙やったと思う。

一文字一文字、丁寧に書かれた7枚に渡る手紙。


_____________________________

君は、この二年間、自分の可能性を探って一生懸命生きてみなさい。
その結果が何であれ、裕子が一生懸命生きた結果であれば、
私はすべて認め、支持します。

『決して“成果”を求めて行動しないこと』

成果を求めて一生懸命生きるのではなく、一生懸命生きた結果が
“成果”なのです。
だから、成果というものは、自分が一生懸命生きている限り、
どんな成果もすべて正しい、満足すべき成果なのです。

中略

君は自信をもって、思いっきりニューヨークに飛び込んでください。
これは、私が全面的に裕子の判断力を信じた結果なのです。
そしてこれからも、君の努力と英知を信じます。
_____________________________



もう、いい歳こいてるけど、
自分が親に信じてもらっとることは、私の支えになっとる。

親が私を誇りに思ってくれることが、私の誇りや。


『今日一日、私はこれ以上頑張れへんくらい頑張ったか?』

眠りにつく前に、いつも私を襲う恐怖の問い。きっと、死ぬまでこの質問は続く。

“成果”=“人生”

今日で人生ピリオドなら、今日までの私の生き方が、私の人生になる。


父は、ことあるごとに
頭のいいのは上から順番で、成績がいいのは下から順番。
長女の私のことを、上田家の希望の星とよんだ。

兄弟に比べて勉強のできないアホな私を、遠回しに叱咤激励しとったんや。

でも、本当にアホな私は、自分は頭が良くて、希望の星やと信じた。
そうやって、父に呪文をかけられたんや。

15年前にもらった父からの手紙は、同じように私に呪文をかける。


今日は花粉症で熱っぽくて、一日しんどかった。
部屋は寒いし、娘は騒がしいし、犬はちゃんとトイレにオシッコせえへん。

ぶつぶつ言いながら、フリース出してきて、娘とおままごとして
犬のトイレの掃除して、ご飯作って、洗濯干して・・・・・もう夜。

私は今日も一日頑張ったか。
これ以上頑張れへんわ!と言うくらい頑張ったか。

・・・・・・・・・・・・・今日死んだら成仏できへんかも。

父が信じた、私の努力と英知が嘘でないことを自分に言い聞かせて、
もうひと頑張り、しなあかんかな・・・・・トホホ。

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